病気への向き合い方 病気への向き合い方

その2 その2

治療を続ける上での目標とは…。
長い目で見て考えることが大切です。

加齢黄斑変性の治療を続けていく中で、視力の数値が変動することもあると思います。しかし、自分らしい生活を送っていくためにも、その時々の数値にとらわれ過ぎるのは良くありません。

桑園むねやす眼科 竹田 宗泰 先生

視力を今のまま維持することが大切です。

加齢黄斑変性は、老化に関連する病気なので、若いときと同じような状態に戻すことはできません。人間というのは年を取ったら、必ずどこか悪くなります。 物覚えは悪くなるし、腰が痛くなって動けなくなる人もいます。年齢には勝てないのです。

治療の目的は、少なくとも今ある視力を維持するということです。加齢黄斑変性は本来、進行していく病気なのですから、 悪化していなければ、それは非常にいい状態だといえるのです。

例え視力が元通りにならなくとも、やはり治療は継続しなければなりません。

元通りの視力に戻れないなら、治療する意味がないと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、 治療せずに放置すれば失明する危険性があります。

白人では社会的失明原因の1位ですし、日本人でも4位になっています。最新の治療を受ければ、元通りにならないまでも、ある程度視力が上がって、 それを維持することも可能です。治療は長期に渡りますし、通院の負担も大変ですが、やはり治療を継続しなければ、 どんどん視力が低下してしまうことを覚えておいていただきたいと思います。

視力の数値にとらわれ過ぎず、長い目で見ていくことが大切です。

治療過程のなかで、その時々の視力の数値にとらわれてしまって、一喜一憂してしまうことがありますが、ご家族の方も含めてそれはあまり賢明とはいえません。 もちろん視力はひとつの指標ですが、細かい変化についてはよい場合・悪い場合、それぞれあまり影響されない方がよいと思います。 少しの数値の変化で落ち込んでしまうよりも、長い目で見ていくことが大切です。

治療の目標は、視力の改善だけでなく、自分らしい生活を送ることにもあります。

病気をどのように受け止めるかということも、加齢黄斑変性と付き合っていく上では、とても大切な要素です。 すでに症状が固定してしまった人でも、残っている視力をある程度活用して何とか生活している人はたくさんいます。

たとえば、視力が0.1以下まで低下してしまっても、その状態に順応していけば、歩くこともできます。 私のところに通院される患者さんでも、拡大鏡を使って設計士の仕事を続けている人もいます。

たとえ視界が完全に見えていなくても、自分らしい生活を送ることはできるということを、ぜひ前向きにとらえていただければと思います。